データスタジアム企画・編集『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』(宝島社、2008/3)

帯から引用すれば、セイバーメトリクスとは「打率、打点、本塁打数、防御率、勝率、セーブ数といった、従来からある指標では見落とされていたり、過小評価されていた野球選手たちの本当の実力を発見できる新たな指標」である。
本書は、そうした新指標(いくつもある)が生み出された経緯をまず紹介。その後、各指標の意味合いや計算方法に触れ、さらにそれを用いて、昨年の日本プロ野球を分析する。

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セイバーメトリクスの成り立ちの部分は、読み物として楽しめた。その次の計算式うんぬんも、なるほど、こういうふうな数値化の方法があるんだ、と興味深く目を通す。
ただ、そのあとに続く2007年シーズンの分析が、面白くない。単に計算結果を読者に押し付けているだけという感じ。私としては、自分でも計算して、納得しながら読み進めたかった。
でも、全体としてはなかなかな1冊かと思う。なんといっても類書がないし、980円とそんなに高くない値段だし。