『西武ライオンズ30年史 HISTORY1979-2008 常勝軍団の軌跡』(ベースボール・マガジン社、2008/7)

『25th Anniversary』は3000円の豪華本だったが、今回は1200円のムック。それでも内容はまったく負けていない。
とりわけよかったのが、「全在籍選手写真名鑑」。25thでは単に成績だけだったが、今回は写真を追加。これは大きい。やっぱり、写真があるとないとでは、懐かしいなあと思う度合いも違ってくる。
なかでも衝撃は「土井正博」の精悍な顔つき。現在の飄々としたおじいさんってな風体からは想像できない。その一方で「野村克也」なんかは、いまと変わらないなあという印象。

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あとは、年度別にどの背番号を誰がつけたかをリスト化した「背番号の系譜」(p.104-106)は、よくまとめたなという感じ。01番から09番までの裏方さんも漏らさず収録しているのがうれしい。
田淵と東尾の対談も中身が濃い。特に、西武ライオンズ前夜の話を面白く読む。

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最後に誤植など。ぱっと目につくようなものはなかったが、いくつか。
p.95:「小野剛」のふりがなが「おのたけし」になっている。だが、2006年のファンブックや選手名鑑によれば「おのごう」が正。
p.98:「ディアス」の在籍年が「西武00〜」となっていて、いまでも在籍しているかのように読めてしまう。ちなみに00年限りで退団しているので、正しくは「〜」が必要ない。
p.98:「デニー」のふりがなが、なぜか「、ともり・ゆい」となっている。何だ、この「、」は。
もうひとつ。p.43のデストラーデの解説文中に、「同年5月9日のオリックス戦(富山)では監督の演出で投手として登板したこともある」との記述が見られる。しかし、講談社から出ているデストラーデの本によれば、この登板は、自身の強い希望によるもの。