日本嗜好品アカデミー編『煙草おもしろ意外史』(文春新書、2002/9)
全5章構成。うち煙草の歴史を綴っているのは3章まで。ここはタイトルに偽りなく面白い。が、その後の2章はというと、嫌煙の流れについての反論。面白くもないし、歴史の話でもないし、何かだまされた気分だ。
それも、巻末の著者紹介を見ればわかる。本島進、青木芳夫、半田昌之という3人の名前があげられているのだが、全員JTと関係がある。どうしたって、煙草擁護にしかならないわけだ。
しかも、この本の主張にはまったく正当性が感じられない。それは、「煙草は歴史ある嗜好品だ、吸うことによってリフレッシュできるし、また社交にもなるのだから、悪くいうのはナンセンス」というもの。吸うことが他人にもたらす不快感を、何も考慮してないのである。