二階堂正宏著『ムーさん』(新潮社、2006/2)

ムーさんというタイトルは、一応主人公の名前から取ったことになっている。だが、おそらくは横山泰三『プーサン』のもじりだろう。機会があれば、そちらも読んでみたい。
それでこのムーさんだが、一言で説明すると脱力系のエロ&ギャグ漫画か。収録されている作品は多くが2ページから4ページで、ページ当たりのコマ数は1から3。たったそれだけのスペースでエロとユーモアを成立させるんだから、たいしたものである。ときには考え込まないと意味がわからないようなものもあり、著者の想像力にはうならされる。

二階堂正宏著『ムーさん2』(新潮社、2007/6)

ムーさんが飲み屋に入る。店の女にお願いをする。一見、何でもない頼みごとなのだがエロになる。この同じパターンを何度となく繰り返す。著者は制約を課したなかで、どうしてこうも笑える作品を連発できるのか。本当にすばらしい才能だ。
また、おまけとして「幻のカートゥーン」(帯より)が24本収録されているのだが、こちらも実に楽しませてくれる。