吉本昌弘原作、伊武桃内ノベライズ『フェイス 上下』(扶桑社、上:1997/8、下:1997/9)

1997年7月から9月にかけてフジテレビ系列で放映されたドラマのノベライズ。こんなぞくっとする面白いドラマがあったんだ、というのが読後感。しかし、放送当時の評判はおおむね芳しくなかったようで。
内容は帯の言葉を使えばサイコラブストーリーとなる。話の筋はというと、複雑に入り組んでいてさらっと紹介するのは不可能。まあ、だらだらと書いてみれば、主人公の男がいて、そいつはある理由から、金目の女のヒモみたいなことをしている。あるとき、新たなターゲットになりそうな女を見つけた。その新ターゲットを手中にしかけたところで、女のもとには手紙がくる。それは、死んだとされる女の母親が実は生きていると伝えるものだった。ふたりはこのとき、自分たちがまだ終わりのない大騒動に巻き込まれることを知らない…。
以上が出だし。その後は、旧ターゲット一族の経営する病院を主な舞台に、血縁関係の真実や病院でかつて恐ろしい実験がなされていたことが明かされていく。
月並みな感想だけど、頻出する性的なシーンはどのように映像化されたのか気になる。そしてまた、この上下巻になるほどのボリュームをどう12回の放送に詰め込んだのかも。