朝日新聞週刊百科編集部編『藤沢周平のツボ 至福の読書案内』(朝日文庫、2007/12)

朝日ビジュアルシリーズ・週刊「藤沢周平の世界」06年11月26日号〜07年6月17日号に連載(前付より)したもの。文庫オリジナル。
中身は藤沢作品の書評集みたいなもの。藤沢周平を読んだことのない人間にはまったく楽しめない内容であった。
p.88-94にかけて、重松清が読む「獄医立花登手控え」シリーズ掲載。

恩田礼、伊武桃内著『鳳凰家の掟4』(扶桑社文庫、1997/1)

3巻でラストだったはずなのに出た第4巻。鳳凰家の親戚である有栖川家。その妙子が、鳳凰家で出産することになる。異常なほど衛生面に執着する妙子に、鳳凰家はたじたじ。そんななか、生まれてきた妙子の子どもが誘拐されてしまう。そして、鳳凰家の嫁・春江の出番がやってくる…。
話が集大成ならば、ジョークのほうもそんな感じ。前3巻のエピソードを持ち出して、登場人物に第○巻は絶賛発売中などと語らせる。それも、エピソードを入れ替えて何度も。
全4巻の感想としては、まあ楽しめたというところか。この時期(1995-1997)にノベライズはたくさん出ているけど、創作に近い形のものはあまりない。だから、その点でも面白く読めた。