単なる雑記

セクハラについての話を聞く。そんなのは、自分に無縁のことだと思っていた。しかし、注意しないとだめみたいなのだ、どうやら。
たとえば、職場にいつも笑顔で挨拶してくれる女性がいたとする。別に普通の行為だ。
しかし、である。人間は物事を自分に都合よく解釈しがちだ。「あの女性が笑顔を見せてくれるのは自分だけだ」「きっと好意を持っているに違いない」
ならばと食事にでも誘ってみる。
だが、男の気持ちとは裏腹に、とりたてて関心のなかった女性はそれを断る。その断りはきっぱりではなく、やんわりである。逆恨みされたら困るから。
「その日は、ちょっと用事が…」
しかし、男はあきらめない。好都合に解釈する力はここでもいかんなく発揮される。「じゃあ、別の日だったら大丈夫なのか」
そうして男が再度アタックしてしまったら、もうジ・エンドだ。女性からは「最近○○さんがしつこくて困ってるんです」と相談がなされるであろう。
…というのが、うかがった話の筋なのだが、単に「セクハラ」というだけだと遠いことのように思えたのが、その原因――誰でもしうる好都合な解釈――を聞くことで、ぐっと身近になった。そしてまた、気をつけなきゃいけないなと。