生ものではない本

書店の検索マシンに触れようとしたら、静電気が。こんなところに、冬の訪れを感じる。
そうして検索し、場所を確かめた本が岡本太郎『人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。』(イースト・プレス)。この本、当初は5月下旬の予定だったのが、半年遅れでようやくの刊行。それにしても、何で延びたんだろう。内容は既刊本の改題・再構成だし、重松清の巻末解説にしたって8ページという分量で、まったく遅れる理由が見当たらない。
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赤福が製造日を先付けするというニュースがあった。ふと気づいたけど、本でもこれ、よくやることだ。この岡本太郎の本も、奥付は「一二月五日第一刷発行」。きょうはまだ、11/22だというのに。
もちろん、本に賞味期限はない。だから、日数が経過したからといって処分されたりはしないのだが、やはり奥付を見て古いやつは、平積みから棚差しにしたりだとか、返品したりだとかいうのがあるらしい。それで、少しでも新しい本に見せたいと。考えてみれば、本に限らないな。雑誌だって、1月号はたいてい前年12月に出るわけだし。
どうなんだろう。食うわけじゃないので、読者に実害はないのだが、エスカレートし過ぎないでほしい。そんなにひどい先付けはいま見ないから、このままモラルが保たれていけばいいと思う。