本をめぐるトークショー

永江朗をナビゲーターに、11/17、14:00から青山ブックセンター本店脇のカルチャーサロンにて。
入場料1000円。この価格は私にとって、けっこうハードルが高い。というのは別に払うのが大変という意味ではなく、ちょっといい話をしただけじゃ、満足しないぞと。
でも、ふたりのトークは、そのハードルを楽々と越えるがごとく、面白いものだった。これまでにも角田さんにインタビューしている永江さんだから、質の高い話が聞けるとは思ってたけどね。
トークは大きく分けて、近刊3冊(『予定日はジミー・ペイジ』『三面記事小説』『マザコン』)のことと、読書について。そのなかから具体的な話題をいくつか。
・『八日目の蝉』や『三面記事小説』といった作品と、20代のころの自作の違い。
・本を読まない作家について思うこと。
・朝日の書評委員会と読売のそれ。並んでいる本が冊数からして大きく違うのだが…。
と、話題をあげては見たものの、詳細を書く気にはならない。この日の面白い話を――1000円を払ったからこそ聞くことができた話を、ただで読んでほしくないというみみっちい心ゆえに。
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終了後、机をセッティングしてサイン会。角田さんは普通に机にいてサインしている。しかし、「永江さんのサインご希望の方は、スタッフまでお声かけ下さい」ということで、彼の姿はない。彼はサイン希望者が出るたびに、いちいち会場にきて、し終えたら、また出ていく。なんだろう。ずっといるのが照れくさいのか。
会場後方の売場で、永江さんにサインをもらう本をどれにするか悩む。結局選んだのは『暮らしの雑記帖』。本の感想はまた書くとして、これはまさに「ジャケ買い」の1冊だ。
それで、永江さんにサインをもらう。これまでに多くのサイン会に足を運んできた「サイン乞食」の私だが、この永江さんのサインはとても満足度が高い。
サインというものに対する私の希望はふたつあって(もちろん希望であって、口に出して要求などしない)、ひとつはサインをするのと同じ書き方で、為書きをしてほしいということ。もうひとつは、できれば日付があればいいなということ。
今回、永江さんはふたつの希望を満たしてくれただけでなく、「ABCにて」と添えてもくれた。彼の筆跡で書かれた自分の名前を見るのは、何だか感動的だ。永江さんにサインをもらうのは初めてだけど、このちょこちょことした字はどこかで目にしたことがあった。それで、そうそう、こういう字なんだよなあと。