秋本治原作、日本推理作家協会監修、西上心太解説『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社、2007/5)

著名作家7人が「こち亀」を小説化。初出は『週刊プレイボーイ』。
最初の大沢在昌がひどすぎる。両さんの1人称が「俺」だもんな。こんな低クオリティの作品が続くのかと思ったら、さにあらず。あとの6人(石田衣良今野敏、柴田よしき、京極夏彦逢坂剛東野圭吾)は平均点以上で、総じて満足な1冊だった。特に今野、京極、東野はすばらしい。
それにしても大沢はありえない。逢坂の作品中で「ぼくでもおれでもなく、わしときたか」と両さんの1人称を表現した地の文があるのだが、大沢に対する皮肉か。