小説現代』9月号

短編「トクさんの花道」掲載。「待望の連作短編スタート」というキャプションがついている。
舞台は、2006年1月号に掲載された「かけ、のち月見」に同じ。もともと『長寿庵』という名前でうどん屋をやっていたのだが、店のすぐまえに斎場ができた。そうなると、こんな店名では客さんがきてくれない。そこでやむなく『峠うどん』と名前を変えることに。今回の話は、『峠うどん』の常連客にして霊柩車のベテランドライバー、トクさんの物語。いつもはかけうどんしか口にしないトクさんが、お酒を飲んでいる。その理由たるや…。
1度で終わらせるにはもったいない設定だと思ってたけど、1年半も経ってから連作化するとは。この設定で連作をやる意図は著者のみぞ知るところだが、私が想像するにこう。
葬式や斎場、そして近くにあるうどん屋の客というものを描く以上、登場人物の年齢は上にならざるをえない。著者は上の年代を久しく避けているように思う。単発ならまだしも集中的に書くとなると、『定年ゴジラ』以来ではなかろうか。
あれからおよそ10年が経った。いまの自分がどれだけのものを書けるのか、著者は挑んでみたかったのかもしれない。

8月24日付夕刊フジ(23日発行)「オヤジの細道」

タイトルは「目と耳、酷使世代」。前回の流れを受けて。

カシオペアの丘で』サイン本

いままでほぼ定価での落札だったのに、急に8000円と高騰。やっぱり、出品するタイミングがあるのだろうか。
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d77159641