きのうの続き

まず訂正。大阪府の私立高校が生徒1名を計73学部に合格「させて」いた、と書いたが、下記の朝日新聞記事によると、これには生徒が受ける予定だった5学部・学科も含まれていたそうだ。したがって、高校が仕組んでいたのは68学部・学科となる。
きのうからきょうにかけて、この件について書いたblogをいくつか読んだ。今回ほどではないにせよ、進学実績を増やすために「ここも受けてみたら」と先生が勧めるのはよくあることでは、といったコメントが多かったように思う。まったくそのとおりだろう。
また一歩進めて、合格者の述べ人数ではなく進学者数を発表するようになれば、こんな方法が通用しなくなるという意見もあった。
なるほど。たしかに進学者数が基準になれば、余計な受験校を勧めることは無意味になる。しかし、私はこれに反対だ。
理由は単純で、進学先の決定に高校が介入する危険があるからだ。仮にある生徒が東大と早稲田に合格したとする。生徒は大学でも高いレベルでスポーツを続けたいので、東大よりも早稲田に魅力を感じている。
進学実績の発表が合格者数ベースであれば、高校は別にどっちへいってもらっても構わないというスタンスだろう。
しかし、だ。合格者ではなく、進学者の数が用いられるようになったらどうか。高校側は、どう考えたって東大への進学実績のほうをあげたいだろう。早稲田へいかれたら、東大に合格したことが数字に反映されないのだから。その思いが、生徒に対して東大進学を半ば強制するような事態を生みはしないだろうか。進学者数という値を使用することには、そんな危険を感じるのだ。
http://www.asahi.com/national/update/0720/OSK200707200163.html