重松清編『残しておきたい日本のこころ』(幻戯書房、2007/6)

ネット書店を見ても、どんな本なのかわからない。書店で手にとってみても、それは同じ。そして、読了したいまもなお、私は疑問だらけである。
とりあえず本書は、「きら星のような作家たちが、それぞれのアプローチで民話について論じた」(p.183)アンソロジー。以下、目次より収録作の転載。

開高健「二十三字きりの民話」
島尾敏雄「昔ばなしの世界」
小松左京「妖怪との対話」
藤本義一「独断民話都市集合考」
三浦哲郎「座敷わらしのことなど」
寺山修司「『継子譚』の地平」
山中恒「民話くさい民話の話」
辻邦生「説話と物語性」
畑正憲「民話の中の動物たち」
五木寛之「生きている民話」
重松清「民話は生きて、変わりつづける」

まあ、書いているのが、「きら星のような作家たち」なわけだから、それぞれは相応に面白い。しかし、本全体としてみると、なんだかなあと。冒頭に書いた疑問(と不満)は次のとおり。
1:なんで、この本がなったのか。企図は何なのか。
2:収録作の選定はどのようにしたのか。
3:それぞれの初出は、どこなのか。
4:なぜ著者の略歴などをつけないのか。
こういったことが書かれていないから、読者にはただ上記の作品群が与えられるだけなのだ。というか、この内容で、まえがきがないのは、ありえないだろう。私たちはこれから何を読むんだって話だよ。
それでまた、この出版社の本は値段が高いんだ。まえに読んだ高山文彦著『鬼降る森』は2100円だったけど、分量302ページあったから、まあ許せた。だが、これは2310円もして、しかも、たったの188ページ。悲しくなる。
出版社サイトの本紹介:http://genkishobou.com/books/023/b023.html

6月8日付夕刊フジ(7日発行)「オヤジの細道」

タイトルは「脳梗塞にはご用心」。自覚がないまま脳梗塞になっていたことを知るTVプロデューサー氏。

コミックチャージ』6/19号(NO.6)

「スモールワールド」第3話「訪問」(全24ページ)掲載。