早稲田文学』Vol.8

連載インタヴュー「作家の背骨――重松清の部屋」第8回、お相手は京極夏彦。いままではたしか3ページだったが、今号は1ページ増になっている。
全体的に面白かったが、とりわけ京極さんがいうところの、「リーダビリティの問題」についての話が興味深い。あとは、重松清のこんな発言。

文芸誌の新聞広告に、なぜ、「待望の」と打たないんだ? ってよく思うんですよ。「1年ぶりの、待望の新年号です、お待たせしました!」って(笑)。いまだと、雑誌で読まなくてもいずれ本になる、単行本で読まなくてもやがて文庫になる……って、待望感がないでしょう?

私が読んでるようなのは、文芸誌じゃなくて小説雑誌というんだろうけど、それでもわかるなあ。待望感がなくて安心感がある。連載を読んでなくても、どうせ本にしてくれるだろうと。

小説新潮』2月号

村内先生シリーズ第4回「拝啓ねずみ大王さま」が掲載された。富田くんのお父さんは、息子へハムスターを買い与えたのを最後に、自殺した。富田くんは学校にいづらくなり、私立から公立の中学へ転校。レベルが低く、そこの生徒たちにはなじめない富田くん。そんなとき、この学校の恒例行事、ムカデ競争の練習が始まる。
今回の話はちょっと浅く感じた。富田くんのそばに寄り添うのが、吃音の村内先生である理由がないように思う。

1月26日付夕刊フジ(25日発行)「オヤジの細道」

タイトルは「カンヅメ作戦」。「好きでホテル暮らしを続けているわけではない」「新作の長篇小説を書くため」「『今度やるから』と4年間も引き延ばしていた仕事だった。さすがに出版社もアタマに来て、『ホテルをとるから集中して書け!』ということになった(以下略)」という言葉が並ぶ。
こういうことをさせそうな出版社というのは、あそこかなあと思う。こんど、詠美さんの書き下ろしも出るそうだし。