「店番」している本屋が好きだ

「恋から」を見終えて、時刻は23:30すぎ。コンビニへ夕刊フジを買いに出かける。
まだこの時間だったら、翌日の朝刊には切り替わっていないだろう。そう思ったのだが、甘かった。5つぐらいのコンビニを見たけど、読売びいきのスポーツ新聞(朝刊)がすでに並び、夕刊紙はもう、あとかたもなかった。
まいったなあ。どうしよう。そんなとき目に入ったのはある本屋(2:00まで営業してる)。高校時代、通り道だったのでよくいった。
あ、ここたしか、新聞おいてあったよな。ありそうな感じだ。そう思ってのぞくと案の定。レジへ持っていく。
とっても狭い店内。お客さんは誰もいない。レジにいたおじいちゃんは新聞をよんでいた。
私が夕刊フジを出すと、ゆっくりその新聞を閉じ、対応をする。「ふくろ入れましょうか」「いや、大丈夫です」
たった新聞1部なのに、なんども「ありがとうございました」といってくれる。
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いちいち書くまでもないことだが、大型書店があちこちに進出し、こうした中小書店は苦しくなっている。だからこそ、私はこのちっぽけな書店の雰囲気をありがたく思う。
この雰囲気っていうのはつまり、店員がレジで待ち構えてない。タイトルにも書いたけど、「店番」してるだけというか、客が目のまえにきてようやく相手をするような。
堅苦しくない。商売しているという感じがしない。だから――、居心地がいい。
こういう書店*1も、街に残っていてほしい。そんなことを思う。

*1:余談。この本屋はすごく狭い。それなのに、コミックスや漫画スポーツ系の雑誌が充実していて、かゆいところに手が届く。だから、お気に入りだった。いま検索してわかったことだが、ブックカバーは安野光雅さんなのだそう。そんなことまったく知らなかったなあ。