西武×楽天(9回戦、インボイスSEIBUドーム)

初めてボールをキャッチした。といっても、投げ込みのサインボールではなく、ましてやホームランボールでもない。バッティング練習中の打球である。
楽天の誰が打ったのか知らないけど、ライトスタンド真ん中でワンバウンドし、それが私の目の前にきた。一回下に落ちたボールをはじいたらみっともないなと思って、両手で慎重にキャッチ。ずしりと硬球の重み。
いつも、ホームランボールに群がる人たちを見ては、「あれってダイレクトで取って痛くないのかな」と疑問に感じていた。今回ワンバウンドで取ってみてもかなりの衝撃があったので、きっと相当な痛みがあるんだろう。でも、それにもましてボールをキャッチする喜びが勝るということなのだろうか。
試合は、先発の西口が4回にソロホームランで1点を先制される。ライオンズはその裏の攻撃、和田2ベース、栗山タイムリー2ベースで同点。平尾が1塁ゴロでランナーを3塁に進める。
ここでバッターは第1打席凡退の江藤。「レフト前ヒットでランナーを還してくれ」ぐらいの気持ちで応援していたが、高く上がった打球はレフトへ。ライトスタンドは、ホームランなのかどうなのか確認がしづらい状況だったが、しばらくして歓声が沸き起こる。1500本安打にようやくリーチをかける勝ち越し2ラン。これぞ応援の醍醐味。涙が出るほどうれしかった。
江藤はこれまでに2本打ってるホームランのうち、1本が西口の登板日(4/15)、しかも逆転となるホームラン。だから、きょうもひょっとしたらやってくれるんじゃないかなという思いはあったけど、いやあ、大事な場面で打ってよかった。
続く第3打席は、イーグルス先発の一場がカウントを悪くしたために、謙虚な江藤はフォアボールを選ぶ。
そして第4打席。よほどのことがなければ、きょう最後の打席、そしてオールスター前に本拠でおこなわれる試合はきょうがラストである。なんとか決めてほしいと願ったが、中途半端なフライを打ち上げてしまった。
次の回から、ファーストにはおかわりが入って江藤は退く。おかわりだから守備固めってわけじゃないだろうけど。まあ、きのう出てないから、試合勘を鈍らせないようにということか。
ライオンズのマウンドは8回星野、9回正津で何ごともなく試合終了。ラ8-イ2。
お立ち台は西口と江藤。やっと勝てたとほっとする西口。あと1本という話題になってもやはり謙虚な江藤。ヒーローインタビュー後、ふたりは多少ぎこちない仕草を見せつつも、腕を絡め、写真に収まっていた。