古井由吉×中原昌也「書くことと、表現すること」

ジュンク堂池袋店にてトークセッション。きょう19:00より。
客は男:女=9:1ぐらい。中原さん目当てできていると思われる年代と、古井さんの読者であろう40、50代にきれいに分かれていた。
トークは終始、中原さんが古井さんに何か聞くという流れ。作品全般についてだったり、あるいは作家としての生き方だったり。聞き方はたとえばトーク冒頭で、会話のかぎかっこをやめた理由などをまじめに尋ねる一方で、すごく俗っぽいことを問いかけては、聴衆から笑いが起こる。
客のみならず関係者も俗っぽい質問を聞いては笑っていたけど、こういう質問に対する返答にこそ、作品につながるヒントが含まれているんじゃないかなと思う。私は古井さんの作品を読んでないからわからないけど。
終わりに近づくころ、中原さんの家に、古井さんの著作がだぶってあったということで、最初に手を上げた前列の人へプレゼント。その場で古井さんにサインを入れてもらっていた。
感想としては、中原さんがなぜ「某大ベストセラー作家」(初出時の石平→単行本における菱田)に対して怒っているのか、ということもわかったりして、楽しいひとときだった。
トークの最初では「某大ベストセラー作家」と伏せていたのに、質疑応答の際に実名を出してしまう。まあ、ここにくるような人にはわかりきったことか。
終了後サイン会へ。対象書籍はそれぞれ、新潮社のハードカバー2冊ずつ。中原さんの『あらゆる場所に花束が…』って文庫本出てるのに、置いてあるのはハードカバーだけ。金儲けが露骨すぎやしないかと思う。
前に並んでいた業者が、かばんのなかから5冊ほどの本を取り出すが、「本日お買い上げいただいた本のみでお願いします」といわれていた。
中原さんのサインはこの前もらったので、古井さんのものだけいただく。下の読書カテゴリのところを読めばわかってしまうので書くが、『辻』は持ち込んだものだ。店員の指示にしたがえば、買わなければいけないところだろう。でももらってしまった。いいわけをさせてもらうと、その場で買うのではなく、予習として対象書籍を読んで参加するというのがトークセッションのあり方ではないかと思う。まあ、列を見回してチェックする田口さんに何もいわれなかったし。
帰ろうとしたら、「トークセッションに参加された方のみのサイン会となります」といわれて、残念そうに引き下がる業者らしき人がいた。参加した人としていない人の顔の区別がついているというのがすごいというか、商魂たくましいというか。