天園ハイキングコース

年末年始、どこも観光地めいたところへいっていないなと思い、近場へ足を運ぶ。北鎌倉駅のほうへいくのは、おそらく小学校5年か6年のころ以来。整備されて、とてもきれいになっていたのに、軽く驚く。
このコースは、昨年12月29日付の日本経済新聞夕刊で知った。出発点は建長寺というところ。入口のすぐ隣には、映画『青の炎』で使われた鎌倉学園がある。
拝観料300円を払って、寺の中に入った。金を取っているだけあって、さすがにきれいだ。しかし、見るべきものはあまりなく、さっさと先へ進む。
寺の奥からしばらく階段を上がると、半僧坊というところへ着く。絵馬に書かれた他人の願いごとを見て、そこでしばし楽しむ。受験や資格試験の合格祈願や、「みんなが幸せで」「家族が健康で」といったものが多いなかで目を引いたのはこれ。「○○□□子になりたい」
○○□□子というのは、私が知るかぎり、芸能人、著名人の名前ではない。つまり、それは書いた人自身の名前で、「本当の自分になりたい」というような意味なのだろう。かっこいい。
もう少し上にあがると、映画『ラヴァーズ・キス』で登場した展望台。思わず息を飲むような絶景が広がる。
ここから先が、本格的なハイキングコース。足を踏み外したら危ないところも多々ある。大平山と呼ばれるその山頂にくると、下の広場では親子が凧揚げをしていた。その様子があまりにも絵になるものだったので、パチリと写真を撮らせてもらう。
広場の左側には、山中には不似合いな、しっかりとした建物がある。何なんだろうなと思い近づくと、鎌倉カントリークラブ。入口付近に自販機が見えるので、ペットボトルの茶でも買おうといってみると、張り紙があり「プレイヤー以外の立ち入りお断り」だとさ。ふん。
元に戻って先へ進むと、途中トイレがあり、六国峠(天園)に。「天園峠の茶屋 ジュース120円、アイスクリーム150円、缶ビール350円」という看板の向こうに、大量の机椅子が置いてあるが、人っ子ひとりいない。正月休みなのか、営業していないようだ。
すぐ近くにはまた別の休憩所があり、こちらは人がいて、洗濯物もほしてあったが、やはり営業はしていなかった。もう遅い時間(16:00過ぎ)だったから、終わりにしてしまったのだろうか。
そろそろ暗くなってきて、本格的にやばくなってきた。手も寒くてつらい。闇が訪れる前に下山できるのだろうかと思い必死に歩いて、16:40ごろ無事に瑞泉寺そばの路上へと到着した。
しかし、それで終わりではない。スタートの建長寺までは自転車できていたので、取りに戻らなくてはいけないのだ。最初からわかっていたことだが、面倒くさい。
ここからの道は、地図を見ながらでもなかなか複雑。何度も確認を繰り返して、岐れ道交差点から鶴岡八幡宮へ。屋台を物色したが、焼きそばやらお好み焼きばかりでたいしたものがない。
八幡宮を出て、さらにつらい思いをしつつ17:40ごろ、建長寺前の駐輪場へ。帰路につく。
寒かったが、帰ってみると疲労が心地よい。緑に癒されていたのだろうか。