『早稲田魂'06』

現役受験生のころ、つまり'02から買っているので、もう5冊目ということになるのか。書き手は変わっているはずなのに、変な雰囲気はずっと同じまま。これがサークル(ザ・ワセダ・ガーディアン)の伝統というもんなのかな。
例年通り、巻頭は校友へのインタビュー。いつもはひとりだが、ことしは豪華にも清宮克幸岡田武史というふたり。清宮監督は「大隈講堂に思い出はあるか」と問われて、こういうふうに答える。
教育学部だったから)西早稲田のバス停で降りて、三品のほうにいっちゃう。だから、16号館より向こうにはあんまりいかなかった。
自分もめったに大隈銅像のほうとかいかないから、ここはとても共感できる。
岡田監督のほうでは、宅浪時代の話、入学後サッカー部に入るまでのこと、学生結婚など、知らなかった話が盛りだくさんだった。そして、こんなこともいう。

俺はよく、声掛けられるんだ。「僕も早稲田です」って。んなこと言ったって、早稲田出身なんて山ほどいるじゃねえか。だからなんなんだよ、と。(p.13)

岡田監督が早稲田出身って意外だもんね。そういえば、代ゼミの酒井敏行が学生時代、岡田とはトイレで並んで小便をした仲だといっていたが、本当だろうか。
巻頭にこれらのインタビューがあった後、各学部の紹介がどうしようもなくくだらないのは例年通り。だが、その後にある様々な特集がことしはよかった。
「早稲田男」は、新入生が、入学式、新歓、100ハイ、早慶戦の模様をネットに書き込むというもの。総長の名を騙る人のレスがあったりと笑えるし、実用的なこともいろいろと書いてあって、参考になる。
「歌え! 都の西北」では校歌の解説がなされる。ふざけた説明がある一方で、「ちなみにこれ(引用者注:わせだ×7)、作詞の相馬御風ではなく校閲(プロデューサー)の坪内逍遥が書き加えた」など、知ってたら飲み会のネタになりそうな記述も。
ぜひ、ことしのように高クオリティのものを来年も出してほしい。正直、これで500円はコストパフォーマンスが高い。