マーク・サルツマン著、三輪妙子訳、坂上香解説『プリズン・ボーイズ 奇跡の作文教室』(築地書館

帯に重松清の推薦文。ロサンゼルスの少年院で生活する子どもたちに、著者がボランティアで作文指導をするというノンフィクション。子どもたちが実際に書いた作文や、教えながらのエピソード、著者が感じたことなどが綴られていく。
フィクションじゃないから、子どもたちが成長してハッピーエンドというふうに都合よくはいかない。そういう意味で、読書に我慢を強いられた部分もあるが、読んでよかった。少年たちの姿を伝えるだけでなく、そのことを通じて、犯罪を犯したものへのサポートが、いかに備わっていないかを訴える本でもあると思う。

映画『疾走』

既に観にいった方の感想などを読んでいると、賛否両論あるよう。だから、どうなんだろうなという気持ちで映画館に足を運んでみる。
いい意味でも悪い意味でも、原作に忠実に映画化されていたと思う。いい意味でというのは、この難しい原作を、よく丁寧になぞって映画化できたなということ。悪い意味でというのは、原作以上の何かがあるわけではなく、既読なら別に観にいく必要はないなということ。
シネスイッチ銀座(2)にて。元旦ではあるものの、映画サービスデーなので7、8割と、けっこうな入り。
以下、パンフレットに載ってる重松清のプロフィールより。

他の著書に『見張り塔から ずっと』(95)、『定年ゴジラ』(98)、『隣人』(00)、『流星ワゴン』、『その日のまえに』(02)、『卒業』(04)、『きみの友だち』(05)など多数。

間違いがふたつ。まず『隣人』は、(01)が正しい。そして、『その日のまえに』。去年の夏に出たばかりなのに、なんで(02)になっちゃうんだろう。

お年玉小説。

正月恒例、新潮社の広告。ことしはよしもとばななが書いている。昨年は重松清だったが、以下URLでそのときの文章を楽しめる。倍賞千恵子の朗読つき。やはり、10代の少年を60代の女性が読むのには無理があった。
http://otoshidama.ssweb.ne.jp/