本の内容を書き写すばばあ@ジュンク堂池袋本店

8/18、午後4時半-5時半ぐらいのこと。私は、4Fのエスカレーターそばにある公衆電話の隣で、テーブル上に置いてあるPR誌(『書標』)を読んでいた。テーブルはさんで右側には、土井たか子似のおばさん。
こいつ、7、8ページほど本を読み進めては、バッグの中からメモ帳を取り出し、本をテーブルの上に載せて、内容を書き写している。そして、転写がおわると、メモ帳をバッグにしまい、普通の読書をしているふり。
テーブルの上には、本の内容を書き写すのは禁止だ、という趣旨のことが書かれている。わざわざ、メモ帳を出したりしまったりしているから、ばばあは、悪いとわかってやっているのだろう。
許せねえな。その場で罵倒してやろうかと思ったが、そんなことしても、店舗にいいイメージはあたえない。しかも、ばばあが書き写しをしようが、私の損になっているわけではないし。まあ、こっそりと店員にお知らせするぐらいがいいのかな、という結論に達した。
しかし、お知らせするにもタイミングがある。書き写しているその場を、店員に見せなければいけない。
そんなこんなでタイミングを計っていると、私とばばあの前を店員が通り過ぎた。明らかにばばあのほうを見て、書き写し行為を目撃しているのに素通り。その15分後ぐらいだろうか。また別の店員が、同様に気づいていながら、素通り。
ジュンクは、書き写しに気づいても、ほっとくというガイドラインでもあるのかな、なんて疑問に思いつつも、ばばあは、相変わらず、写してはメモ帳をしまい、を繰り返す。
隣にいて、もう我慢できなくなったから、あと1回やったら、静かに「いい加減にしろよ」ぐらいいうことにしよう。もし、逆ギレされたら、メモ帳奪って、どっかに放り投げて逃げよう、と思っていると、ばばあの携帯に電話がかかってきて、読書終了。本を元に戻しにいった。ちょっと後悔が残る。
棚で書名を確認してみると、宮地尚子著『トラウマの医療人類学』(みすず書房)だった。まあ、それはどうでもいい。私が驚いたのは、書き写しをするような人間が、本をきちんと元あった場所に戻したということだ。