「桐蔭学園の真実」第5回

実技科目の軽視

いまはどうなのか知らないけど、普通科で入ると、1年に美術、2年では音楽の授業がある。いずれも週に1コマ。理数科だと2年の音楽はやらない。
家庭科は、ある日、1時間ぐらいビデオを見て、それについての試験がある。授業はない。それでも、教科書は入学時に買わされるのがむなしい。
以上のように、桐蔭は完全に進学重視のカリキュラムである。こんなことでいいのだろうか。
キャンプとか、メモリアルホールの行事で貴重な体験をさせていると学校は主張するが、根本的なところを誤っている気がする。

体育

他校より、とてもすぐれた環境にあるといえる。たとえば、剣道の授業を剣道場でやる、なんていう学校は、あまりないと思う。教えるのも単に体育の教員ではなく、部の顧問とか、その道に長けた人たち。
けど、いいのは環境だけなのかもしれない。私の中で、体育の授業は、あまり印象に残っていないから。ちなみに、体育でやったことは以下。
1年のときは、2コマあるうちの1コマが剣道、もう1コマが水泳とサッカー(それぞれ半期ずつ)。
2年は柔道とラグビーを通年でやる。
3年は、クラスによって違いがあるが、柔道は必修、その他、バレーボール、ハンドボールなど。あとバスケもあったのかな。
体育祭の時期になると、これらを中断して、持久走をやる。

美術

1年のときに、週に1コマ。年間で4つのことをする。描画系が2つ。工作系が2つ。
男子の全22クラスを2人が担当していた。メインのほうは、それなりに若い先生だったが、私のクラスのサブのほうは、おじいちゃん。的確なアドヴァイスをくれるとても素晴らしい人だった。桐蔭での数少ない、いい思い出のひとつ。

音楽

2年次に、週1コマ。普通科のみ。全14クラスをひとりの教員が教えていた。というか、高校の音楽教員は彼ひとりしかいない。人間的に尊敬できる人物ではなかった。やることは歌とリコーダー。

父母会

年に2回、保護者を学校に集めて、父母会というものをやる。まずはメモリアルホールという施設で、理事長などが話をして、その後、クラスごとにわかれて、担任の説明になる。
内容はどうでもいいようなことばっか。キャンプの前だと、それに関連したことを話したり、進路についてだったり。どうでもいいような内容なんだけど、全保護者がくるようにいわれる。学校側が数字を取っているから。何%が出席で、当日欠席は何割とか。
父母会の開催にあたっては、事前に保護者のもとへ、意見だとか質問を記入する用紙が配られる。これに何か書くと、父母会当日、質問(あるいは意見)と回答を一覧にしたものが、配られる。
たとえば「学食のうどんに、包みの袋が混入していた」とか書くと、それに類似したものが何件あったかと、「即刻、厳重注意処分としました」というような回答がくる。
学校側に都合が悪い質問がきても、質問自体をなかったことにはしない。さすがに。そうはせずに、質問を都合が悪くないように解釈してみたり、あるいは、そんな事実はいっさいないと、頭ごなしに否定したり。
こういう意見の聞き取りをするのは、理事長の「教育はサービス業」という考え方によるのだろう。学校は親と生徒を満足させてなんぼという。

食堂

桐蔭の食堂は、独立採算でやっている。そのため、多くがパートらしい。男性のスタッフは、1人もいなかった。
値段は、味のことを考えると、高くもなく安くもなく。うどん250円、ラーメン290円、日替わりランチ490円とかそんな感じ。
上に書いた、うどんに袋が混入の件は、私が通っていたときに、実際あったこと。それ以来、食堂の人の態度がずいぶんとやわらかいものになった。
家から弁当を持ってくる人と、食堂その他(コンビニで買う、とか)で、だいたい半々ぐらい。
そして、これが1番重要なことだと思うけど、1、2年は4限終了後が食事の時間となっている。ところが、3年になると、3限のあとが食事になる。これはおそらく、食堂の混雑を緩和するためと思われるが、正直なところ、帰りまでにお腹がすいてしょうがなかった。まあ、文句いってもどうにもならないだろうし、慣れるしかないのかな。
書けば書くほど、書きたいことが出てきたので、次回できっぱりと最終回にしたい。