hanae*著、重松清解説『小学生日記』(角川文庫)

撮影は一時前に終わった。天気予報では「昼前から雨になる」って言ってたから、みんな心配していたみたい。でも、無事終わったので、お昼はみんなで和食を食べに言った。(文庫版p.159より)

文末「言った」は当然「行った」が正しい。hanae*さん本人の間違いをあえて尊重してあるのかな、と思って、親本を見てみた。

撮影は一時前に終わった。天気予報では「昼頃から雨になる」って言ってたから、みんな心配していたみたい。でも、無事終わったので、お昼はみんなで和食を食べに行った。(単行本版p.157より)

正しいのである。つまり、角川書店は文庫化に際し、新たに誤植を生み出してしまったわけだ。最悪。
参考までに、親本の初出は以下。こちらでも、「行った」と正しくなっている。

撮影は1時前に終わった。天気予報では「昼頃から雨になる」って言ってたから、みんな心配していたみたい。でも、無事終わったので、お昼はみんなで和食を食べに行った。(web版「spoon.」連載第6回より)

オール讀物』8月号

シリーズ小学五年生の掌編2本掲載。
「再会」:転校していった三上くんと、夏休みに入って4ヶ月ぶりに再会。だけど、彼の態度はちょっとつれない。
しんみりした話を最後に盛り上げるあたりは、『疾走』に共通する。
プラネタリウム」:友人といっしょに申し込んだ『子ども天文教室』。しかし、友人は寝坊して、一人っきりで参加。グループ分けで知らない女の子とペアにさせられる。
この話では、偶然という要素が鍵になっている。
ここからは雑談だが、偶然というと、きのう、本屋で立ち読みした本のなかに、興味ある人のメルアドをゲットする方法についてのページがあった。いわく、唐突にアドレスを聞かれても、教えにくい(当たり前だよな)。そこで、相手のキャリアを聞いてみる。それで「ドコモなんだ。私も」みたいに、偶然性を強調して、「アドレス教えて」と聞き出せ、と。女性は偶然に弱いから、これが効くんだとさ。
しかし、相手のキャリアが同じじゃなかった場合について、本の中には書かれていない。そこで、自分で考えてみた。一応、私をドコモ使いだとしてお読みください。
私「携帯どこの?」
女「えっ、ボーダフォンだけど」
私「うっそ。ドコモとボーダフォンって相性いいんだよね。俺の友だちで、ボーダフォンの彼女とつきあっているドコモのやつ、3人いるもん」
女「えー、それほんと?」
私「ほんとほんと。ねっ、アドレス教えてよ」
もちろん話はウソなので、相手がauでも対応可能。どうだろう。まあ、いきなりアドレスを聞くことの気まずさを回避するためだから、どんな会話でもいいとは思うけど。

小説新潮』8月号

先月で連載終わったので、今月は書いてない。だけど、巻末の「読者の声」欄に、「初回から愛読してきました」という88歳の方の投稿が…。多少ネタバレなので、未読の人は読まないほうがいいと思う。

あおげば尊し

リンク先(中ほど)によると、撮影は今年2月にとっくに終了していて、秋公開予定だという。楽しみ。
http://www.din.or.jp/~daruma/hiroko/yakushimaru/