盛田隆二著、重松清解説『リセット』(ハルキ文庫)

たいして期待していなかったが、あまりに面白くて一気に読了。
ブルセラ下着を売ったり、ドラッグをやる女子高生たちを描き、他方では、離婚を経て複雑になった親子関係を扱う。この本の中では、2週間のときが流れていて、その中間に酒鬼薔薇聖斗の事件がある。
5/2の日経夕刊プロムナードによると、酒鬼薔薇は盛田さんの息子さんと同い年とのこと(余談けど、私は1つ下。この事件の概要を聞いたとき、実際にやるかどうかは別として、私なら実行可能だな、と思った。だから、逮捕されたのが少年とわかっても、まったく驚かなかった)。それだけに何か思うところがあったんだろうな。
単行本が書き下ろしで出たのが、2000年秋。それから4年半もの歳月が経ったわけだが、古びていない。p.262-3あたりの佐竹先生の描写は、水谷先生を思わせるし(今ほど有名ではなかったけれど、もしかしたら水谷先生を意識したのかもしれない)。中盤のp.289で親子が聞いている音楽が、川本真琴なのはまあ、時代の名残か。
取材を綿密にしているのだろう、女子高生たちの姿はとてもリアルに感じられる。瑕疵をあげるとすれば、雅也が母親のことを「色きちがい」と呼んでいること(p.171ほか)。高校生の言葉できちがいは出てこないんじゃないかな。あと、暗黒大陸じゃがたらの『南蛮渡来』というアルバムから歌詞を取っている(p.346-7)のだが、私は見たことも聞いたこともないグループなので、もっと上の読者向けに書かれたのかもな、とも思う。
まあ、そんなことはどうでもいい。久しぶりに面白い小説を読めたのだから。本当はずっと積読にしとくつもりだったが、某blogにおける盛田さんの書き込みにあまりに感心したので(自分で「完璧です」っていってるし)。と同時に、彼がなぜ遅筆なのかもわかった気がするけど。

野性時代』6月号

「極上てのひら物語」で、単身赴任を終えようとしている父親を描いた「それでいい」という掌編を書いている。
通巻19号目にして、『野性時代』初購入。

BRIO』6月号

たまたま立ち読みしてみたら、山崎浩一との対談が掲載されていた。ちゃんと読んでないので、いつか書き足す予定。

ダ・ヴィンチ編集部編『ダ・ヴィンチ読者7万人が選んだこの一冊 なんでもブックランキング106本勝負』(メディアファクトリー

ダ・ヴィンチ』に載っている、どうでもいいようなアンケートが、なんと1冊にまとまってしまった!
眺めながら、私はスタンダードとされている作品をぜんぜん読んでいないなと、あらためて思う。
あと気になったことを1つ。p.105の”70歳になった私”に贈ってみたい本ランキングで次点にあがっている島田荘司著『ひらけ!勝鬨橋』というのがある。こち亀に「勝鬨橋開け」という名作があるけど、タイトルは、この本から取ったのかな。時間的にはどっちが先なんだろう。
重松清がらみの言及は以下の4点。
”家族”について考えさせられた本(10位に『ビタミンF』、p.68-9)
”学校”について考えさせられる本(7位に『エイジ』、p.72-3)
今だからこそ”親”に読んでほしい本(1位に『エイジ』、p.108-9)
2000年下半期の直木賞に『ビタミンF』(p.170)

空より高く(読売新聞夕刊)

ジン先生がハッパをかけるものの、人間すぐには変われない。
4/30:青春サバイバル4
5/2:青春サバイバル5(月の初めなので、あらすじつき。通算45回目)
5/6:青春サバイバル6(部屋に張ってあるポスターがなぜかhitomi)
5/7:青春サバイバル7
5/9:青春サバイバル8
5/10:青春サバイバル9
5/11:青春サバイバル10