こせきこうじ著『山下たろーくん うみとそらの物語2』(BUNCH COMICS)
彼の作品はどれも、ちょっぴり感動的なシーンというのがある(『ああ一郎』は未読だけど)。今までだと、そういう部分はほんのおまけ程度にしか描かれていなかった。
しかし、この『うみとそらの物語』では、真っ向から感情に揺さぶりをかけてくる。タイトルからして、『うみとそらの物語』なんて(いい意味で)ベタなタイトルだし、表紙も自然の美しさを前面に打ち出したものだ。
私の個人的な想像だが、こせきさんは、ずっとこういうハートウォーミングなのをやりたかったのではないだろうか。少なくとも彼にとって何らかの転機になる作品だということは間違いない。