三浦しをん著『私が語りはじめた彼は』(新潮社)

これも4/29の予習用に読んでみた。帯の推薦文を金原瑞人が書いている。
全6編の連作短編で、最後のひとつだけは書き下ろし。ほかは『小説新潮』に掲載されたもの。これも『むかしのはなし』同様、ちょっとずつ話を関連させていくという方式が取られている。
面白くてページを無我夢中で繰り続けた。だけど、どうしてこの本が評価されるのかわからなかった、というのが正直なところだ。それで金原さんの書いた書評を見たら、ああ、そういうことなのかと納得した。
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/454103-6.html
村川をストーリーの中心に据えずに、読者の頭の中に想起させたり、あとは「水葬」と「冷血」のつながり。この書評を見て、読者としての自分がまだまだまだまだ未熟であることを認識した。
この本にもやはり、神奈川の地名が出てくる。大磯(p.55ほか)と鎌倉(由比ガ浜、p.169ほか)。エッセイを読めば、彼女と神奈川とのかかわりもわかるのだろうか。
そういえば、『むかしのはなし』に青葉台という地名があったけど、きょう生協でぶらぶらしていたら、『青葉台駅チャリンコ2分』(小学館)なる本を見つけた。著者のプロフィールによると、早大自転車部のOGだそうで、時間があったら読んでみたいなと思う。