重松作品の風景

早稲田大学16号館前ロータリー


『卒業』(新潮社)の169ページ以降で、主人公の渡辺と亜弥とが語り合う場面で登場。小説以外では、『早稲田文学』の編集員になるための作文を、ここで書いている(『セカンド・ライン』90番参照)。本人曰く「ロータリーで、中途半端な空間で、中途半端な空き時間をウダウダ過ごす、役に立たない時間。それが僕にとって、今振り返ってみて、一番大事な時間だったのよ」(『新鐘』より転載)。

パチンコ屋みよし


「早稲田に『みよし』っていうパチンコ屋があってさ。二階に雀荘があって、そこのおばちゃんから斎藤清六に似てるって言われて(笑)。僕が行くと『清六ちゃ〜ん!』って、昼間っからビール持ってきてくれてね。とにかく毎日ウダウダやってたの」(『新鐘』より)といってるぐらいだから、『疾走』(角川書店)に出てくるお好み焼き屋が「みよし」という名前なのは、偶然ではないはず。

早稲田大学第二文学部表現・芸術系専修機関紙『グラミネ』インタビュー

http://www.littera.waseda.ac.jp/major/hyougen/graminees/backnumber/mag2000/sigematu.html
だいぶ古いもので、私も前に1回見た記憶があるけど、あらためて読んでみたら、内容がほかのインタビューとかぶらないことばかり。アルフィーのコンサートを取材したとか、作家デビューのときに契約したレコード会社の具体的な名前とかも出ている。ちなみにキティレコードは、Wikipedia(「レコードレーベル」「ユニバーサルミュージック」)によると、ユニバーサルミュージックに収斂されていったようだ。

東直子×木内達朗著『愛を想う』(ポプラ社

重松清が帯に推薦文を書いている。木内さんは、重松作品だと『きよしこ』(新潮社)でおなじみのイラストレーター。歌人の東さんから届けられた短歌に、木内さんが絵をつけることで、この本ができあがったそうだ。
自分は歌にも絵にも疎いから、詳しいことはいえないけど、眺めていると素敵な時間を過ごせる本だと思う。
下は、著者2人に長嶋有を交えて、この本についての鼎談。
http://www.webpoplar.com/beech/20050301/contents/topics/teidan-041122.html
本の帯をめくると、UFOが出てくるという仕掛けには気づかなかった。あとこのページよると、3人は恒信風という俳句の結社に所属しているという。
http://www.koshinfu.com/(恒信風)
http://www.mejirushi.com/(木内達朗の公式)
公式ページからリンクされている(母校の)ICUのインタビュー(下記URL)が興味深い。クライアントの要望を聞きつつ、自分の色も出すというところに、重松清との共通点を感じる。
http://subsite.icu.ac.jp/prc/bird/bird-song/83.html

白川道著『天国への階段下巻』(幻冬舎

裏表紙側の帯に、重松清北方謙三の推薦文(上巻は宮部みゆき梁石日)。
終わりが近づいてきて、あと20ページぐらいなのに、話がまとまりそうにない。いったい結末はどうなるのだろうか、と思わせる終盤の展開がよかった。そのほかは無駄に長いとの印象を受ける。いちいち上下巻に分けるほどの話だったんだろうか。巻末に「東京新聞の連載を大幅に加筆した」とあるが、そうする必要はなかったように思う。

読む情熱大陸

更新された。小児科医水沢慵一さんの回について。