関連書籍2冊

厄年

重松さんは、1963年3月6日生まれ(63年、3と6を入れ替えて3月6日だから、覚えやすい)。今年42歳で厄年となる。どっかの雑誌で、「頭痛薬を入れたポーチだけは、どこにいくときも手放さない」みたいな話をしていたが、何も起こらなければいいけど。

明日があるさ』(朝日文庫

4月の文庫新刊に上のタイトルが予定されている。『セカンド・ライン』の文庫化なのかな。16番に『明日があるさ』について書いた文章があったけど。ISBN:4022643463

三浦しをん著『格闘する者に○』(新潮文庫

文庫の新刊が出たとき、重松清が解説を書いていると思わしい本は、手に取ってチェックするようにしている。今月、新潮文庫の置き場で真っ先にこの本は書いてそうだな、以前単行本版について触れていたし、と思って確かめたら、予想的中。
59ページに、「スパゲティーミートソースばっか食べていて、麺類担当のおばちゃんと顔なじみになった」ということが書いてある。これを読んで、自分の高校時代を思い出した。
高2のある時期に、学食で集中的にスパゲティーばかり食べていたことがある。3種類あって、1がミートソース、2がカルボナーラ、3がペペロンチーノ。食券ではこれらが区別されていなく、食堂のおばちゃんに直接、自分が食べたいものの数字を告げる。
毎日のように3を注文していた私は、そのうちに顔を覚えられ、食券を出すと「3番でいいよね」とおばちゃんがほとんど確認のような口調で聞くようになった。そのことには何の不満もないんだけど。
たまに「今日は何番にする?」なんて聞いてくれると、ふざけて「じゃあ、2番で」という。そしたら「きょうは2番なんだって」と奥の厨房にいったりする。そんな昼時の出来事が、つまらない高校生活の中で、さりげない楽しみでもあった。
角田さんの『対岸の彼女』もそうだったけど、戸山キャンパスの食堂っていうのは、作品に登場させたくなる魔力みたいなものがあるんのかな。
あと、巻末の文庫刊行案内がよかった。いやむしろ、くすっと笑うべきなのかもしれない。198ページあたりに書かれていることを、ちゃんと活かしたんだろうな。
重松清の解説は彼女がエージェントと契約してデビューを果たしたことに始まり、デビュー作の意義についてなど。
http://www.boiledeggs.com/

永江朗著『メディア異人列伝』(晶文社

噂の眞相』1993年4月号から休刊号(2004年4月号)までの同名連載をまとめたもの。あとがきに書いてあるけど、様々な事情があり、すべての再録はかなわなかったとのこと。ちなみに収録率は86.4%ほど(115/133)。
読んでて興味深かった点をいくつか(かっこ内は初出号)。まず、姫野カオルコ(1993年5月号)と中森明夫(1993年12月号)のペンネームの由来、そして中森の回で明かされている、永江朗のエロ本系雑誌におけるペンネーム(岡山らくだ)、中場利一による井筒和幸監督批判(1997年5月号)。そしてその井筒監督を登場させてしまうこと(2001年12月号)。
重松清が登場した回(1999年9月号)も収録されている。「81」年に『ビフォア・ラン』で作家デビューという初出時の誤りもそのままに。そのほかにも、1999年10月(永沢光雄)、2000年2月(勝谷誠彦)でも、重松清についての言及あり。

週刊ポスト』3/18号

『ニッポンの投書』(宝島社)についての書評を書いている。