早大OGの鏡
「まぐろづけ丼って覚えてる?580円だったんだけど、学生のころはそれがすごく高く思えて、憧れだったんだ」
「覚えてますよ、私も憧れでした。たしかカレーが170円で、一番安くて」(21ページより、漢数字は算用数字に改めた)
これが早稲女のあるべき姿だろ。カフェのランチなんか食ってるやつはだめだね。
小説における地名、風景
作品とかストーリーとかについては、みなさんがお書きになっているので、私はただ、面白くてどんどん読み進みたくなった、というだけにしておく。ところで、文中に磯子、反町、大磯なんていう、おそらく神奈川県民以外には、あまりなじみのない地名が出てくるけど、こういうのって、知らない場合、どうやって頭の中で処理してるのかな。なにもこの小説に限らず。あんまり意識してこなかったけど、地名を理解していたら、もっと小説の世界を楽しめた、なんていう本も、今まで読んだ中にはあったのかな。
また、角田さんが通った、早稲田の文学部のキャンパスと思われる風景もあった。これも同じで、読者に前提となる知識があったら、より共感できた、なんていうものもあったのかもしれない。