変質者

ここのところずっと、大学の端末室(確か、120台くらいのPCが置いてあるので、けっこう広い)にきている。年末から室内にアシスタントがいなくなったので、パンを食べたり、私語をしていても注意する人間はいない(ちょっと離れた場所にある通用口に警備員はいる)。そんな環境でも、比較的平穏が保たれていた。
ところが、正月ということで気が狂ったのか、テンガロンハットをかぶった男が、画面上の文字を笑いながら読み上げ始めた。例えば、こんな感じ。「ここのところ、わっはっは、ずっと、はっは、大学の端末室にきている、ははっはは」みたいに、狂っているとしか思えない声が、室内全体に響き渡る。テンガロンはきのうもきていて、時折、単発的に笑い声が聞こえはしたんだけど、きょうのはやたらと長い。その場に居合わせた全員が、お互い顔を見合わせつつ、テンガロンのことを見つめる。
10分ぐらい、テンガロンは狂い続けただろうか。そのうち、誰かが警備員を呼びにいって、テンガロンを注意したんだけど、警備員が戻ったら、また狂った声を上げ始めた。そしてまた警備員がきて、今度は強制的に引きずり出されていく。いったいなんだったんだろう。酒飲んでたのかな。近くを通った限りでは、酒臭いということはなかったけど。