川端裕人著『ふにゅう』(新潮社)

ああ、なんかひさびさに面白い小説読んだって感じた。内容は、出産とか子育て(特にまだ幼い時期の)に関連した連作短編。いずれも父親(になろうとする男)の視点から書かれている。どう面白いのかって説明するのも難しいけど、まず、子育ての描写に現実味があって、それで、男の心情のせつなさっていうのが、読み手によく伝わってくるところなのだろうか。私の中では、本の雑誌上半期6位だった『卒業』(新潮社)、2位だった『ウェルカム・ホーム』(新潮社)を上回って、今年の暫定ベスト1になった。
時間があったら、この人のほかの小説も読んでみたい。まあ、時間がないから読まないんだろうけど。