「ザ・ノンフィクション それでも『春』を信じてる」

大分市にある自立援助ホーム「ふきのとう」。児童養護施設で暮らす子は、高校へ進学しない場合、施設を出る必要がある。自立援助ホームはそんな子らの受け入れ場所になっている……。
子どもが問題おこしたり、勝手に出ていったりはよくやる題材なので、目新しさはない。人間はひとりひとり違って面白いというぐらい。
よかったのは、ホームを営む澤田さん夫妻の失敗談が聞けたこと。たとえば入所する子どもと澤田さんの子を、最初は仲良くさせようとした。しかし無理だった。どうしても嫉妬が起こってしまう、と。
あるいは、食事で嫌いなモノを聞かない。いざ出したとき「なんで、嫌いだっていったのに出すの……」という話になるから。
資金面の難しさも伝わってきた。ナオキは肩代わりしてもらっていた電話代など30万円を、返却せずに出ていった。妻の加代さんは支援者のもとを訪ね、寄付を受けにいく。子の面倒だけ見ていればいいわけではないのだ。
1時間番組なりの深さがあって楽しめた。
4/22放送。

「ザ・ノンフィクション 名物カレーの消えた街」

茶店トレド。神楽坂の路地裏で、1972年からカレーを継ぎ足し変わらぬ味を提供してきたが、再開発の話が持ち上がる。
2010年放送分では店を閉じるまでを伝えた。今回は再オープンする模様が最後に4分ほど追加、いや継ぎ足しされている……。
正直なところ、見ていて気分がよくなかった。マスターが店のなかで煙草を吸うのがね。他人だけでなく自らの健康も害し、大腸がんで手術。その後もなお吸い続けるのだから、あっぱれというしかない。
3/25放送。