検索世代

2007年はすこし、驚きがほしいと思う。私をそんな気持ちにさせたのは、こんなことがあったからだ。
近々、越谷にスポーツ観戦へいこうとしている。まあ、それを見るだけで帰ってきてもいいのだが、せっかくだから観光めいたこともしたい。あるいは食事はどうするのかも考えておく必要がある。
そうなると、ネットで検索だ。キーワードは「越谷」+「名所」「観光」「名産品」……。そもそも、目的地の地図だって、住所をどっかからコピって、地図サイトで検索しているのである。
でも、そうやって検索をしながら思ったのだ。事前に調べた場所にいき、あらかじめどの程度の味なのかをわかったものを食べ、まえもって予定された感動を得る。そんなのつまんないじゃないかと。
**************************************************
下記のURLによれば、1960年代生まれで、『POPEYE』や『Hanako』『ホットドッグプレス』など、カタログ系の雑誌からノウハウを学んだ人たちを「カタログ世代」というそうだ。
http://www.jiyu.co.jp/GN/cdv/backnumber/200210/topics02/topic02_01.html#i007
かってが「カタログ」ならば、いまの私たちは、「検索」世代といえるのではないだろうか。いや、もしかすると、私がこれまで書いてきた類の行動は、世代間に共通しているかまではわからないのかもしれない。
でも、少なくともカタログ雑誌を見るよりは、ネット検索って方向にはあるだろう。無料なわけだし。
**************************************************
疑問がある。カタログ世代の人たちは、カタログが教えてくれたものをなぞることに、つまらなさを感じなかったのだろうか。それは、私がカタログ世代の人間でない以上、知りようがないことだ。
でも、もしつまらなさを感じず、そのことに満足していた*1のだとしたら、それは裏返せばいまが「個の時代」だということのあらわれにも思える。
人と同じことをやっていては、つまらない。与えられたものではない、自分だけの何かがほしい。検索にためらいを感じ、驚きがほしいと思わせたのは、そんな感情なのかもしれない。

*1:ただカタログを見るだけで、満足が完結していたという可能性もある。