『童心』

『愛妻日記』の映画化第2週目。きょうは1日なので1000円。でも、15人ぐらいの入り。
家に帰って、原作を読み返してみると、映画ではタイトルの「童心」を強調したつくりになっていることがわかる。子どもが塾の合宿にいき、その間夫妻が里帰りをするのは原作同様。だが、この作品ではかなりの説明をしている。妻は子の部屋のゴミ箱からにおいのついたティッシュを見つける。そして、エロ本も。
勉強を頑張っているなか、あえて里帰りをするのは、子どもがたまにはひとりでいたいからどっかいってよと主張したことによる。このあたりはすべて映画のオリジナル。
そうして田舎に戻った夫妻。原作だと、畑でセックスするのだが、今作は夫が通った学校に忍び込む。そして教室に入り、日直なんてものがあったと懐かしんでみたりする。やがてリコーダを吹く妻。夫はそれを用いて、遊戯を始める。
音楽(「アマリリス」)が耳に心地よい作品だった。

『ホワイトルーム』

これはよかった。夫の要求に対して、いまいちセックスに盛り上がれない妻。あるとき夫のもとに、アダルトビデオが持ち込まれた。映っているのは、いま住んでいるのと同じ部屋。新築で買ったはずなのに。
そのアダルトビデオは、男が素人相手に、母親の写真を見せながらやるというストーリー。それで「夜の授業参観」なんていうタイトルがついている。
ここまでは原作も同じ。以後、原作では俺たちの部屋でこんなやらしいことしてるよ、と妻を乗り気にしていく。しかし、この映画では、夫が「夜の授業参観」をなぞる。それを激しく嫌悪する妻を見て、「何があったんだ? 話してごらん」という。妻は涙ながらに、以前、母親からいわれたことによって、傷ついた過去を告白する。夫はなぐさめる。
映画のほうが重松ワールドだ。著者本人が脚本書いたんじゃないかとさえ思える。