映画の感想+α

映画『泣くな赤鬼』

すごく満足な作品だった。

残り少ない命はいかにも涙を誘う設定なんだけど、その点が原作からさらに洗練されている。演技は皆うますぎるぐらいだし、本作で追加されたシーンがことごとく効果的だった。

でもただの泣ける映画かというとそんなことはなくて、野球や先生とのかかわりがその後の人生に何を残したかをずっと描いていたように思う。

特に印象に残ったのは満身創痍のゴルゴへノックをするシーン。病人を気づかってやさしく打ったりはしない。厳しいところ厳しいところを突いていき、ようやくゴルゴが飛びついて止める。これを見ると、ノックはコミュニケーションだなあと感じずにはいられなかった。

109シネマズ湘南(シアター8)にて。

パンフレットについてメモしておくと、映画の公式サイトにも出ていた寄稿「先生だから」が1ページ。過去に映画化された作品のリストとプロフィールも同じく1ページ。あとは現場訪問した際の写真が載っている。

文庫解説

今月1日発行の新潮文庫『介護殺人』で解説を書いている。帯文にも使われている。

最近のまとめ

6月7日付朝日新聞夕刊広告

『泣くな赤鬼』の映画化を記念したインタビューが掲載されている。本作について「どこが映画用にアレンジした部分か、全く境界線を感じさせず、自然に入ってきました」とのこと。

5月15日付朝日新聞夕刊

Next Stageというコーナーに柳楽優弥さんが登場している。

重松清さんの作品は熱烈なファンも多いので、原作が好きな人にも認めてもらえるよう、集中して挑みました」とのこと。

私が思うに、他の作家より熱烈なファンは少ないイメージなんだよな。ただ、ひとたび作品が映像化されると、あーだこーだ盛んに言われている印象はある。そういうことを指してるんだろうなと。

最近のまとめ

本の雑誌』6月号

「図書カード三万円使い放題!」のコーナーに登場している。学生さんにゼミの副読本を選んでもらう、みたいな形になっている。

SWITCHインタビュー達人達(Eテレ

6/15放送分に堤真一さんと登場。

https://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2019-06-15/31/23629/2037209/

最近のまとめ

新刊

講談社から『旧友再会』が6/26発売予定になっている。下はアマゾンなどの内容紹介より。

子育て、離婚、定年、介護、家族、友達。
人生には、どしゃぶりもあれば晴れ間もある。
重松清が届ける5つのサプリメント

本書とタイトルが重なる短篇「旧友再会」は『小説現代』2016年6月号に掲載されている。

内容紹介にある「どしゃぶり」は『小説現代』2018年5月号に前編、6月号に中編が掲載された。その次は後編かと思いきや8月号が3回、9月号が4回、10月号で最終回となっている。

5月5日付日本経済新聞朝刊

阿刀田高さんが「丸の内で小説を勧める」という文章を書いている。阿刀田さんが自身の講座で読んだ小説について紹介している。

重松清の『母帰る』と菊池寛の『父帰る』は時代の隔たりが痛感されて、ほどよい対照となる。前者の方言(広島弁かな)が小説を楽しくするための機能として話題になった。

「母帰る」は『ビタミンF』に収録されている。 

受講にあたっての注意

以前「大衆小説論」の教室についてツイートをしていた人。

教員・重松清への不満

最近のまとめ+α

『きみの町で』
6月末に新潮文庫で刊行予定になっている。「夏の100冊」の時期にはなにかしらが文庫で出るけど、今年はこれということで……。

希望ヶ丘の人びと

2016年夏にWOWOWでドラマ化。翌年1月にDVDとBlu-rayが出ていたが、最近は配信でも見られるそうだ。Amazon Prime Videoの見放題になっているほか、huluやU-NEXT、ビデオマーケットにラインナップされている。

文学座公演『定年ゴジラ』パンフレット
以前、ヤフオクの50%オフがあったので買ってみた。現在はAmazonマーケットプレイスにも2冊ほど出ている。

公演は2009年11月におこなわれ、翌年3月にNHK教育(当時)でも放送された。
今さらパンフを買ったぐらいなので公演には行ってない。演劇が好きではなく、見たい欲求があまりなかった気がする。

テレビのほうも録画はしたが、最初の15分ぐらい見てほったらかしだったような……。

パンフの中身は関係者の文章や出演者がアンケートに答えるコーナーなど。それ以外では鈴木慶一が劇中で使われているビートルズについて書いている。鈴木は演出を担当した西川信廣の幼なじみとのこと。『ヘイト船長とラヴ航海士』のリリースはこの舞台の前年。もうそんなに経ったんだなあ。久しぶりに聞いてしみじみしている。

舞台の公式サイトはまだ見ることができる。
http://www.bungakuza.com/teinen/

峰岸達さんの日記。単行本・文庫本に続き、本作のポスター絵(=パンフレットの表紙)も担当している。「この青年作家は、若いけど相当の力量を持っているなと思いました」と重松清を評している。
https://star.ap.teacup.com/shigotonikki/19.html

最近のまとめ

『泣くな赤鬼』

新潮社が映画の公開記念でエッセイ&読書感想文コンクールを実施している。
教職員と中高生向け。応募は5月末日消印有効。
https://www.shinchosha.co.jp/news/article/1849/

ムビチケを買ってきた。特典はタオル。これで販促になってるのかな……。

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小説宝石』5月号
「平成を彩った傑作短編再録特集」に「4時間17分目のセカンドサーブ」が掲載されている(『ブルーベリー』所収)。
扉ページに(雑誌に載った)15年前の出来事が列挙されているぐらいで、特に新しいところはない。
『小説幻冬』5月号
ラジオのパーソナリティ交代にともなって、「希望の地図2018 HEART TO HEART」が最終回。単行本化の予定などは特に書かれていなかった。

最近のまとめ

泣くな赤鬼
公式サイトに特別寄稿「先生だから」が掲載されている。
これ、サイトがオープンしたときから載ってたのかな。
https://akaoni-movie.jp/special.html
試写会の情報もいくつか出ている。
5/21(火)は18:30開演で新宿バルト9。出演者と監督の舞台挨拶つき。応募は5/12(日)いっぱいまで。
https://kad-intheater-cp.jp/nakuna/premiere/
もうひとつ。6/6(木)は昼間に神楽座(KADOKAWA富士見ビル1F)。プロデューサー橋口一成さんのトークショーつき。応募のはがきは5/13(月)必着。
https://mainichigahakken.net/hobby/article/-204.php
BundanTV
本にかんするYouTubeチャンネル。
清野真史さんが好きな本として『木曜日の子ども』を紹介している。


大衆小説論の教室
「FF外から失礼」というリプが面白い。