角田光代

『マザコン』(集英社、2007/11)

『すばる』初出の短編全8本。いずれも、母への思いを描いた作品になっている。発表誌の性格もあって、最近の角田光代とはまた違った味わいがある。

本をめぐるトークショー

永江朗をナビゲーターに、11/17、14:00から青山ブックセンター本店脇のカルチャーサロンにて。 入場料1000円。この価格は私にとって、けっこうハードルが高い。というのは別に払うのが大変という意味ではなく、ちょっといい話をしただけじゃ、満足しないぞと…

彩河杏著『メランコリー・ベイビー』(集英社文庫、1990/4) 退屈な高校生活を送る千夏と里佳子。そんな日々にけりをつけようとふたりが選んだのは、駆け落ちすること。計画は着々と進んでいく。 角田光代がコバルトシリーズで残した最後の作品。この後、あ…

彩河杏著『三日月背にして眠りたい』(集英社文庫、1989/10) 主人公は萩原生菜子(きなこ)、17歳。バイトをクビになりしょぼんとしていたある日、知らないじいさんが自分の部屋を訪ねてきた。その人は、生菜子のおばあちゃんのだんなで、いまは下宿を経営…

彩河杏著『彼の地図 四年遅れのティーンエイジ・ブルース』(集英社文庫、1989/1) 実香の同級生で、優等生だったスグルが、大学に姿を見せなくなった。そればかりか、彼は変貌し、ところかまわず大人への反抗を訴え始める。尾崎豊*1の影響だ。はたして実香…

『三面記事小説』(文藝春秋、2007/9) 実際に起きた事件をベースに、その裏側を描くフィクション全6編。初出は『別冊文藝春秋』で、4編目の「永遠の花園」のみ既読だった。 感想はとにかく「打ちのめされた」ということに尽きる。4編目まではわりとさらっと…

きょうから15日まえの9/29、青山ブックセンター本店脇のカルチャーサロンにて『予定日はジミー・ペイジ』(白水社)の刊行記念トークショー「ちなみに今日ならブレット・アンダーソン」がおこなわれた。角田さん、唐仁原教久さん、担当編集者の3人が、この本…

栗田有起解説『庭の桜、隣の犬』(講談社文庫、2007/9)

夫婦としてやっていくというのは、恋愛とは違う。いわば「ごっこ」なんだと。私はそういう小説として読んだんだけどね。解説がいまいちぴんとこない。

『八日目の蝉』(中央公論新社、2007/3)

積読中だったのだが、第2回中央公論文芸賞を受賞*1ということで読んでみる。 そんなに高い期待はしていなかった。新聞連載時に、1/3ぐらいは読んでいて、ああ、新たなジャンルに挑戦したんだなあぐらいの認識だったからだ。それが読了したいまとなっては、ご…

遠くへいきたい きのう7:30から30分間、NTVにて放送された第1863回「出羽路 山と暮らす――山形県鶴岡市――」に角田さんが出演。 「日々のふち」によると、計4日もかけて撮っていたようだ。そんなことをまったく感じさせないのは、編集の妙か。 豊田道倫解説『…

三浦しをん解説『あしたはアルプスを歩こう』(講談社文庫、2007/7)

岩波書店から出ていた単行本を改題しての文庫化。一言でまとめてしまえば、角田さんがイタリアの山でトレッキングをしてきた記録だ。 しかし、ただの山登りルポにはなっていない。それはガイドとのやりとりがあるからだ。ルイージ・マリオさんというこの方、…

三浦しをんさんとトークショー きょう14:30から、第14回東京国際ブックフェアの読売新聞・日本テレビブースにて。司会は日本テレビアナウンサーの古市幸子(http://www.ntv.co.jp/announcer/new/profile/s_furuichi.html)。 タイトルがあって、うろ覚えだが…

東京国際ブックフェア 7/8(日)の14:30から、三浦しをんさんとのトークショーがある。 このブックフェアは、サイトで招待券を申し込めば無料。持っていない場合、入場料が1200円かかるとのこと。 http://www.reedexpo.co.jp/tibf/visit/forreaders.html 池…

中上紀解説『東京ゲスト・ハウス』(河出文庫、2005/10) 収録は表題作の中編1本のみ。角田さんの作品ではあまりない、男性が主人公の話。しかし、頭がなかなか「男性主人公モード」に切り替わらず。女性と思って読み進めては、「はっ、いけない。男性だった…

『対岸の彼女』英文版出版記念講演会

きのう15:00から、34号館453教室にて。タイトルは、「『対岸の彼女』、対岸の言葉へ――ニッポンの作者とアメリカの翻訳者と」となっている。 おふたりが入ってきて、向かって左側に角田さん、教卓を挟み右側にウェイン・P・ラマーズさんが着席。最初に、青山…

中島京子解説『トリップ』(光文社文庫)

連作短編全10本。きのうの重松清の話を借りれば、角田光代もまた、事件になどならない、だからマスコミが取り上げることもない、そういう平凡なものを描いているのかもしれない。

『婦人公論』3/7号 「角田光代のヒミツの話は蜜の味」第2回のゲストは蜷川実花(全4ページ、構成:立田敦子)。連載で対談をやってたのか。へえ。第1回は誰だったのだろうと検索してみると、江原さんだった(2/7号。ソース:婦人公論blogなど)。 島本理生解…

穂村弘解説『あしたはうんと遠くへいこう』(角川文庫) ここにも養老乃瀧が出てきた(p.126)。 石川忠司解説『ピンク・バス』(角川文庫) 「ピンク・バス」「昨夜はたくさん夢を見た」という中編2本。初期の角田光代は、なぜか読むのに時間がかかる。量が…

『ちいさな幸福 All Small things』(講談社文庫) 6番目の話、出てくるのがチェーン店の養老乃瀧。以前、角田さんは居酒屋を書き分けているという話を聞いただけに、にんまりとしてしまう。 2006年12月24日付日本経済新聞朝刊 文化欄に「私たちの経済イベン…

10月21日付日本経済新聞朝刊

別刷りのNIKKEIプラス1内「私のリフレッシュ」に登場。ボクシングのよさを語っている。

『TOKYO READING PRESS』第5号(2006/10-11)

この『東京リーディングプレス』は、「朗読と街歩き」というサブタイトル(?)みたいなものがついたフリーペーパー。朗読会の情報やそのレビューでなっている。 そこに「発される音としての小説」というタイトルでエッセイを書いている。下記の公式サイトに…

『彼女のこんだて帳』(ベターホーム出版局) 料理を中心に据えた掌編小説×15。角田光代はこういう器用なものも書けるのかと感心。 きのう、この本の刊行記念イベントが自由が丘の青山ブックセンターでおこなわれた。イベントといっても、20分ちょっとトーク…

いまさら、7/29の三浦しをん×角田光代トークショー「書評の愉しみ」のまとめ。『三四郎はそれから門を出た』(ポプラ社)の刊行記念。 このふたりのトークショーは昨年4/29以来で、場所もそのときと同じ青山ブックセンター本店脇のカルチャーサロン。14:30に…

『prints21 秋号』 角田光代特集。なかなかの充実ぶりだけど、インタビューは……。聞き手が、出版業界の事情にあまり明るくない人らしい。とくに下の発言はひどいと思う。 この頃から、図書館にある角田さんの本がどれも予約待ちの状態になっていて、一般の評…

2月26日付日本経済新聞朝刊 読書欄にインタビュー掲載。『おやすみ、こわい夢を見ないように』について。この本は、珍しくプロモーションに気合いが入っているなと感じる。 八日目の蝉(読売新聞夕刊) 2/7:第60回 2/8:第61回 2/9:第62回 2/10:第63回「…

『文藝』春号 星野智幸と森達也との対談より。 星野 僕が初めて森さんのお姿をお見かけしたのは、二年前、角田光代さんが谷崎潤一郎賞を受賞されたときのパーティー会場でです。(p.119) とあるのだが、これは誤り。このとき、谷崎潤一郎賞を受賞したのは多…

『婦人公論』1/22号 ドキドキ鑑定対談「人気作家、傾斜宮占いに出会う」全4ページ掲載。タイトルそのまま、角田さんが中津川りえに占ってもらうというもの。 これまで鏡さんや江原さんと対談している角田さんだが、ここではなぜ占い好きになったかの理由が詳…

『横濱』11号 (情報出所:id:tsuzukinomori:20051223)「横浜市長中田宏の横浜トーキング」というコーナーに角田光代が登場(全4ページ)。市長が素朴な疑問をぶつけていて、そこらの雑誌じゃあ読めないような中身の濃いものになっている。「プロフィールを…

サイン会 12/10、16:00より、有隣堂アトレ恵比寿店にて。『Presents』の刊行記念。 列に並んでいたら、あるじいさんたちが「ほかのとバッティングしちゃってさあ」みたいな会話をしていた。どこで誰のサイン会をやっていたのだろう。少し気になった。 もっと…

角田光代小説、松尾たいこ絵『Presents』(双葉社) 私事だが、父親とはあまり話すことがなくなった。そうなってしばらくすると、彼は私に本をよこすようになった。アマゾンで。 だいたい月に1度、2冊ずつ送られてくる。洋書が多かった。ジャンルは学問やら…